FXの為替相場を予想するには、「ファンダメンタルズ」と「テクニカル」の2種類の分析手法が役立ちます。両者の分析方法を理解しておくことで、短期から中期、中期から長期と予測できる範囲が広がっていきます。
しかし、ファンダメンタルズやテクニカル分析は覚えることも多く、様々な種類が存在します。「具体的にどの手法から学べばよいか分からない」と悩む方も多いでしょう。
そこで今回は、FX初心者でも利用しやすいファンダメンタルズとテクニカルの各手法を紹介していきます。この記事を読むだけで、初心者でも為替相場を正確に予想できるようになるはずです。
FXの為替相場を予想する方法は2種類
FXのチャートや為替相場を予想するには、次の2つの方法を使います。
- ファンダメンタルズ分析
- テクニカル分析
なぜなら、為替相場を動かしているのは、主にファンダメンタルズ要因とテクニカル要因の影響が大きいからです。
ファンダメンタルズ要因とは、経済動向をもとに為替相場が変動することを指します。一方、テクニカル要因とは、チャート上の値動きの変化によって為替相場が変動することです。
短期投資と中長期投資、どちらを志向するかによって重視する要因が異なります。短期投資だとよりテクニカル要因が重みが増し、中長期投資はファンダメンタルズ要因を重視することが多くなります。
そのため、自分の投資スタイルに応じて各要因を分析し、適切にFXの為替相場を予想していくことが大切です。
ファンダメンタルズ分析で予想する方法
ファンダメンタルズ分析とは、経済動向をもとに為替相場を分析する手法です。
経済動向を見極めるためには、各国の経済指標や金融政策、要人発言などを分析していきます。そうした指標や政策によって、将来的な景気が上向きそうであれば為替は上昇しやすく、反対に不景気に陥りそうだと為替は下落しやすくなります。
ここでは、FXの為替相場を予想するうえで欠かせない、5つの経済動向を紹介します。
GDP(国内総生産)
GDP(国内総生産)は、FXの為替相場を予想するうえでもっとも重要な指標の一つです。
GDPとは、特定の期間内に国内で生み出された付加価値のトータル金額を表します。GDPが大きいほど、その国の経済規模が大きいということです。
日本やアメリカ、イギリスなど、先進国の多くは、四半期ごとにGDPが発表されます。最初に速報値が発表され、その後2週間~1ヶ月以内に改定値・確報値が公表されることがほとんどです。
GDPの速報値が前年よりも上昇していると、景気が上向く期待が高まるということなので、為替相場も上昇することが予想できるでしょう。
米国雇用統計
FXでは、米ドルが主要通貨で取引量も多くなることから、米国雇用統計を参考にすることが大切です。
米国雇用統計は、毎月第一金曜日の21時30分に発表されます(冬時間の時期は22時30分)。
なかでも、非農業部門雇用者数と失業率の注目度が高くなっています。米国のGDP比率は世界の24.6%を占めており、米国の好不況の影響は世界全体に影響を与えやすいといえます。そのため、失業率や雇用者数の数値が為替相場にも作用しやすく、投資家にとっては売り買いの大きな判断材料になるというわけです。
金融政策
金融政策は、為替相場に直接的な影響を与えることから、FXの予想をするうえでは重要な要素となります。
金融政策とは、中央銀行が実施する金融面からの経済政策のことです。世界各国が政策金利を設定し、景気の過熱感を調整したり、景気の底冷えを刺激するために行われます。
たとえば、日本では2012年に自民党が政権を奪還後、黒田日銀総裁により大規模な金融緩和が行われました。金融緩和が行われると政策金利が引き下げられ、市中に出回るお金の量が多くなります。その結果、それまで1ドル=80円台だった為替相場は、2015年には120円台まで円安が進んでいます。
このように、金融政策を確認しておくと、今後の為替の値動きをある程度予想することが可能です。また、日銀総裁やFRB(米国中央銀行)議長、財務大臣などの要人発言にも注目しておきましょう。
鉱工業生産指数
FXの予想は、雇用統計や金融政策ばかりではなく、流通・消費の動向も把握しておくことが大切です。その流通や消費の動向を知るのに役立つのが、鉱工業生産指数となります。
鉱工業生産指数とは、コンピュータや電化製品、自動車などの工業製品の生産高を表した統計資料です。製品の生産が行われるということは、それを販売・消費することでもあるため、サービス業や個人消費の動向まで予測できます。
たとえば、半導体の生産高が好調だと、その製品を利用するスマホや冷蔵庫の需要が高いことが分かるでしょう。スマホや冷蔵庫などの家電製品は個人消費にあたるため、国内から海外への輸出が高まり、為替にも大きな影響を与えることが予想できます。
鉱工業生産指数は、日本や米国、ユーロなどで毎月中旬~末頃に発表されます。
景況感指数
景況感指数は、具体的な景気の動向を参考にできることから、為替動向の予想に最適な要因です。
アンケート調査で、消費者やアナリストが景気動向を予測したものを景況感指数といいます。景況感指数が高ければ今後の景気も良くなり、低ければ景気が悪くなることを表します。もちろん、100%予想が当たることはありませんが、為替相場の予想には非常に参考になるといえるでしょう。
景況感指数のなかでも特に重要なものは、次の3つです。
- ZEW景況感指数(ドイツ)
- IFO景況感指数(ドイツ)
- 消費者信頼感指数(米国)
上記は、アンケート調査を行った国の経済動向はもちろん、世界各国の為替に与える影響も大きくなります。そのため、これまで紹介した経済指標や金融政策などと組み合わせて活用すると良いでしょう。
テクニカル分析で予想する方法
テクニカル分析とは、為替チャートの動きから相場を予想する方法です。
チャートは過去の値動きをグラフにしたものに過ぎませんが、そのなかには人間の心理が大きく反映されており、将来の為替相場を予想するうえで大いに参考になります。
たとえば、チャートで買いのサインが出ることで、多くの投資家が買い注文することが予想できるため、その情報をもとにして自分の判断を決定することが可能です。
ここでは、初心者にも扱いやすいテクニカル分析を3種類お伝えしていきます。
移動平均線
移動平均線を覚えておくと、ほかのテクニカル分析にも応用が利きやすく、チャートのトレンドも把握しやすいので便利です。
移動平均線は、5日・25日・75日がよく利用され、それぞれ期間内レートの終値の平均値を表します。平均価格が分かることで、1日の大きな価格変動に惑わされることなく、現在のトレンドの方向性を正確に判断することが可能です。
レジスタンスライン・サポートライン
レジスタンスラインやサポートラインも、移動平均線と同じく初心者向けで、為替相場を予想しやすいテクニカル分析手法です。
レジスタンスライン(上値抵抗線)とは、為替相場がその水準を超えて上昇しないと考えられるラインのことです。反対にサポートラインとは、水準を超えて下落しないと考えられるラインを指します。
チャートがレジスタンスラインに達すると上昇トレンドへ、サポートラインに達すると下落トレンドへ変化する表れとなるため、この先の値動きを予測するのに適しています。
MACD(マックディー)
MACD(マックディー)は、買いサインと売りサインを予想するときに利用するテクニカル分析手法です。
具体的には、「MACD」と「シグナル」という2つの移動平均線を利用して売買のタイミングを判断します。
MACDがシグナルのラインを下から上に突き抜けたときが買いサイン、上から下に突き抜けたときを売りサインとみなします。突き抜けるときの角度が深いほど、そのサインが有効となります。
引用元:外為どっとコム
FXの予想ブログは当たるのか?3つの注意点
FXの予想ブログは、あまり鵜呑みにしすぎないことが肝心です。
為替相場の予想を行う方法として、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析のほかにも、FXの予想ブログが挙げられます。
他者の予想を参考に、自分の売り買いの判断をすることは決して悪いことではありません。しかし、FXの予想ブログには次の3つの注意点があるため、あまり過信しすぎないように注意しましょう。
詐欺まがいの情報に注意
FXの予想ブログのなかには、ときに詐欺まがいの情報が記載されていることもあるので、十分に注意してください。
ブログは多種多様な方が記事の作成・運営を行っています。なかには、運営者の情報や記事の内容の信憑性が不確かなものもあり、すべてのブログが役に立つというわけではありません。
たとえば、「FXで1,000万円儲けた」というテーマの内容なら、「どのような方法で達成したか」という確かな裏付けが記載されているか確認することが大切です。また、ブログを通じて高額なFXツールを販売する運営者もいるなど、少しでも怪しいと感じたら、素直にそのサイトから離脱することをおすすめします。
まったく同じ手法が使えるわけではない
FXブログの予測が確かなものだとしても、その手法が自分にも適用できるとは限りません。
ブログの情報が公開されるのは、少なくとも情報が投稿されてから1~2週間後となります。そのため、情報の発信者にとってはすぐ後の予想であっても、読者からすると、実際に為替が動いた後の後付け的な情報になる可能性が高いのです。
もちろん、ブログで分析手法を学び、自分の相場予測に活用することもできます。しかし、上記のように再現が難しいこともあるので、あくまで参考程度にすることが順当といえるでしょう。
相場の予想は自分で考えることが大切
FXに限らず、投資の判断は自分自身で考えて行うことが大切です。
たとえば、投資信託でも、営業マンが勧める銘柄を信じて大損失を抱えるという話しはよく聞きます。FXも同じで、他人が予想した銘柄に相乗りしても、自分の投資環境には適合しないことが多く失敗も少なくありません。
仮に儲かったとしても、投資の勉強にはならないので、その後に負ける可能性が高くなります。FXは、自分で為替相場の予想をするからこそ勉強にもなり、そのノウハウが将来の勝利に繋がります。
【まとめ】FXの予想精度を上げて勝率を高めよう
FXの為替相場を予想するには、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析を利用することが一般的です。それぞれの分析手法は、初心者~上級者向けまで細かく指標やツールが分かれているため、自分に合ったものから利用してみましょう。
予想精度を上げることで、最終的な勝率を高めることができます。また、検証と改善を繰り返すことで、投資知識やノウハウもたまっていくことでしょう。最初は慣れるまでに時間がかかるかと思いますが、少しずつチャレンジするようにしてください。
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