FXのクロス円とは? | クロス円の特徴とメリット・デメリットを徹底解説

FXをやっていると1度は「クロス円」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?

「クロス円」とはドル以外の外貨と円を組み合わせた通貨ペアのことです。

日本のトレーダーは基本的に取引をするときの通貨ペアとして馴染みのある「円」が絡む「クロス円」で取引をすることが多い傾向にあります。

つまり日本でFXをやる以上は、日常的に取引をおこなう機会が多い「クロス円」について学んでおくことが勝てるトレーダーになるために必要な要素なのです。

そこで今回は「クロス円」の仕組みとメリット・デメリットを解説していきます。

日常的に取引をおこなう機会が多い「クロス円」について学べば、今よりもFXで勝てるチャンスが増えるでしょう。

ぜひ、以下から学んで実践してください。

クロス円とは?

FXでは通貨と通貨を組み合わせる「通貨ペア」を使ってトレードを行いますが、その通貨ペアの中でも「日本円」が絡む通貨ペアの中で、ドルとの通貨ペア以外のことを「クロス円」と呼びます。

以下、代表的なクロス円を表にまとめましたので、ご覧ください。

通貨ペア名(日本語) 通貨ペア名(英語)
ユーロ/円 EUR/JPY
ポンド/円 GBP/JPY
豪ドル/円 AUD/JPY
NZドル/円 NZD/JPY
カナダドル/円 CAD/JPY
トリコリラ/円 TRY/JPY
南アフリカランド/円 ZAR/JPY

よくある勘違いとして、円が絡む通貨ペアとして馴染みがあるドル/円はクロス円だと思っている人がいますが、ドル/円はクロス円ではなく、「ドルストレート」と呼ばれる通貨ペアになりますので、注意してください。

ドルストレート

ドルストレートとは通貨ペアの中でも「ドル」が絡む通貨ペアのことをいいます。

つまり「ドル/円」に関してもドルが絡む通貨ペアなので、「クロス円」ではなく「ドルストレート」となります。

ドルは「基軸通貨」と呼ばれる国際取引に使われる通貨なので、FXで取引されている通貨ペアの中でも、ドルストレートのシェアは90%と圧倒的なシェアを誇っています。

日本では馴染みがある「円」が絡むクロス円の取引量が多いですが、世界水準で考えるとドルストレートの取引量がもっとも多いということを知識のひとつとして覚えておいてください。

クロス円の特徴

FXは世界基準で外貨の取引をおこなう投資なので、クロス円について知るうえで、国際取引の仕組みを知る必要があります。

国際取引でクロス円がどのように扱われているかを知れば、その特徴をFXでクロス円を取引するときにトレード戦略を立てるために役立てることができます。

ここからは、クロス円の国際取引での扱いからクロス円の特徴を解説していきます。

クロス円の特徴を学んで、FXに役立てていきましょう。

実需がない

クロス円の特徴として挙げられるのが、輸入企業が外国の企業相手に料金を支払うために使用するなどの実需の取引が無いということです。

クロス円は架空通貨ペアとも呼ばれており、実需の取引では使用されません。

例えば、企業が決済に使用するために、「ポンド」を「円」で買いたい場合は、国際取引で利用される基軸通貨のドルを介して取引を行います。

つまり、ドルを円で購入して、ドルを使ってポンドを買うという流れになります。

実際に日本経済新聞社がイギリスのファイナンシャルタイムズを購入した時も、まずドルを購入して、ドルをポンドと交換した後に、決済をおこなったのです。

このようにクロス円は実需がなく、架空の通貨ペアであることが大きな特徴です。

ドルの影響を受けやすい

クロス円は実需の取引がないと説明しましたが、実は実需の取引がないということは、FXをやるうえでは、とても重要になるのです。

先ほど説明したように、ポンド/円の決済をおこなうためには、まずドルを購入してからポンドの決済を行います。

つまり、ポンド/円の取引をおこなうときは、ドルを介するので、ドルの値動きの影響も受けるのです。

ここではポンドで説明しましたが、他のクロス円でも同じようにドルを介するため、ドルの値動きの影響を受けるのです。

だから、クロス円の通貨ペアを取引するときは、ドルの値動きにも注意を払う必要があるのです。

例えば、ポンドが原因でポンド/ドルが上昇した場合、ポンドが原因でポンド/ドルが上昇しているのですから、ポンド/円も上昇することになります。

しかし、ポンド/ドルでポンドが買われて上昇したにも関わらず、ドル/円でドルが売られて下降している場合、ポンド/円はどうなるでしょうか。

ポンド/円はドルを介するため、ポンドの方がドルより強く、円がドルより強い場合、ポンドと円はどちらが強くなるかを予測することは困難です。

このようにクロス円は、ドルを介して取引をおこなう性質上、ドルの影響を受けやすいので、値動きを予測するのが難しいという特徴があります。

ドルストレートより値動きが激しい

クロス円の最大の特徴として、値動きが激しいことが挙げられます。

クロス円を取引するときには、取引基軸通貨であるドルを介するので、ドルの値動きと扱っているクロス円の両方の値動きの影響を受けるからです。

例えば、ドル/円が5pips上昇し、ポンド/ドルも5pips上昇したとします。

ポンド/円を取引するためには、まず5pips分多くの円を使ってドルを購入します。

そして5pips分多くのドルを使ってポンドを購入することになります。

結果として、ポンド/円では10pips上昇することになるのです。

このようにクロス/円は基軸通貨であるドルの影響を受けるために、ドルストレートの通貨ペアに比べると値動きが激しくなります。

クロス円の計算方法

ドルストレートの通貨ペアに比べるとクロス円の計算方法は少し難しくなります。

例えば、ドル/円であれば、直接取引なので見ただけで現在のレートが1ドル=〇〇円であると分かります。

しかしクロス円の場合は、ドルを介するために2国間のレートを見るだけでは、現在のレートを算出することができません。

その計算方法はポンド/円であれば、「ポンド/ドル × ドル/円 = ポンド/円」となります。

つまり、ポンド/ドルのレートが1.29180のときにドル/円のレートが108.620であれば、「1.29180 × 108.620=140.315」でポンド/円のレートは140.315となるのです。

基本的にFX会社はクロス円のレートも自動で計算して表示してくれていますが、知識として覚えておくようにしましょう。

クロス円のメリット・デメリット

ここまでで、クロス円の特徴は理解できたのではないかと思います。

しかし、クロス円の特徴を理解できたからと言って、それがFXに活かせなければ意味がありません。

そこでここからはFXをやるうえで、クロス円の通貨ペアでトレードをおこなうメリットとデメリットを解説していきます。

クロス円のメリットとデメリットを理解して、クロス円のトレードに役立ててみてください。

クロス円のメリット

クロス円最大のメリットは1回のトレードで大きな利益を狙うことができるという点です。

クロス円の特徴として説明してきましたが、クロス円はドルストレートの通貨ペアに比べると、基軸通貨であるドルを介するために値動きが激しくなります。

FXでは値動きが大きければ大きいほど、多くの利益を狙うことができます。

確かに値動きが大きいということは、損失額が大きくなるリスクも高いですが、もしクロス円とドルストレートの通貨ペア同士で同じように取引をして、相場の予測が当たれば、クロス円の方が利益を得ることができます。

大きな利益を狙えるということはFXにおいては最大のメリットとなります。

最初は難しいかもしれませんが、ある程度ドル/円などのドルストレートで勝てるようになれば大きな利益を狙ってクロス円のトレードに挑戦すべきです。

クロス円のデメリット

クロス円のデメリットは、値動きが大きいので予測を間違えれば大きな損失を出すという点です。

あまりFXに慣れていない状態で、ドル/円などのドルストレートと同じ感覚で手を出すと痛い目を見ることになります。

クロス/円のトレードはFXにある程度慣れてからおこなうようにしましょう。

また、ドルストレートに比べると値動きの予測が難しいという点もデメリットです。

クロス円は基軸通貨であるドルを介して決済を行うので、仮にポンド/円の取引をおこない、相場を予測するのであれば、ポンドと円の値動きだけでなくドルの値動きも気にする必要があるのです。

例えば、イギリスの経済指標により、ポンドが上がりそうだったとします。

単純にポンドのみが上がりそうな状況であれば、確実にポンド>ドル>円もしくはポンド>円>ドルとなるので、値動きは予想しやすいですが、同時にドルがポンド以上に上がりそうな状況であればクロス円はどう動くか分かりません。

ポンド>ドル>円という順番になるかも知れませんし、ドル>円>ポンドかも知れません。

また同時にドルが大幅に下がりそうな時は、ポンドの上昇の勢いが強いかドルの下降の勢いが強いか、さらに分かりにくいのでポンド/円の予測はより困難になります。

クロス円の通貨ペアをトレードするのであれば、クロス円の通貨の値動きだけでなく、ドルの値動きも注意するようにしてください。

ドルの値動きが盛んになるニューヨーク時間については下記にまとめていますので、ご確認ください。
→FXの時間帯別トレード戦略|ニューヨーク時間とは?

合わせて経済指標について知りたい人は下記にまとめていますので、ご確認ください。
→覚えておきたい経済指標 | FXでチェックすべき重要指標を徹底解説

クロス円でおすすめの通貨ペアと特徴

クロス円の通貨ペアは、代表的な通貨ペアをあげるだけで、数多くの通貨ペアが存在しています。

通貨ペア名(日本語) 通貨ペア名(英語)
ユーロ/円 EUR/JPY
ポンド/円 GBP/JPY
豪ドル/円 AUD/JPY
NZドル/円 NZD/JPY
カナダドル/円 CAD/JPY
トリコリラ/円 TRY/JPY
南アフリカランド/円 ZAR/JPY

このように一括りにクロス円の通貨ペアと言っても、たくさんの通貨ペアがあるのですが、実は通貨ペアごとに少し特徴が違ってくるのです。

また、これだけの数があると、どの通貨ペアでトレードをしたらいいか悩んでしまうのではないでしょうか。

そこでここからは、数多くある通貨ペアから、トレードをやるうえでおすすめの通貨ペアとその特徴を紹介します。

クロス円のトレードをやるのであれば、まずここで取り上げた通貨ペアでトレードをやってみてください。

ユーロ/円

ユーロ/円は、激しい値動きが特徴のクロス円の中でも値動きが素直で安定しているので、テクニカル指標が効きやすい通貨ペアであり、学んできたテクニカル指標を生かして安定したトレードを行いたい人におすすめの通貨ペアです。

なぜなら、ドルストレートの通貨ペアであるユーロ/ドルの取引量は世界の通貨取引量のシェア25%と圧倒的な取引量であり、ユーロは世界的にみても取引量の多い通貨なのですが、もちろんクロス円の中で、もっとも取引量が多いのが、ユーロ/円だからです。

一般的に取引量が多い通貨は、値動きが素直になりやすいという特徴があります。

なぜなら、取引量が多いということは、それだけ多くのトレーダーが参加しているということになるので、集団心理が働きやすいからです。

FXをやるうえでは誰もがテクニカル分析など同じことを勉強してトレードに望んでいます。

つまり、ほとんどの人が同じ局面で同じようなことを意識してトレードをしていることになります。

もし通貨の取引量が少なければ、一部の突拍子もないトレードをしているトレーダーにFX相場の値動きが翻弄されてしまうという事態も起きかねませんが、取引量が多ければ、一部のトレーダーのトレードに値動きが翻弄されにくくなり、素直な値動きをするようになるzのです。

このように取引量が多い通貨は、素直な値動きをするので、学んできたテクニカル指標などを活かしやすい特徴があります。

ユーロ/円もクロス円の中では取引量が多い通貨なので、テクニカル指標が効きやすく、学んだことを生かして安定したトレードをおこなうことが可能出来ますので、安定したトレードを行いたい人には、おすすめの通貨ペアとなります。

しかし、ユーロの値動きは、国の政治や経済と言ったファンダメンタルズの影響を受けることが多く、長期的な値動きを読むのは難しいので、テクニカル分析を使った短期トレードを中心にトレードをおこなうことをおすすめします。

ユーロの取引が盛んになるロンドン時間については下記にまとめていますので、ご確認ください。
→FXの時間帯別トレード戦略|ロンドン時間とは?

ポンド/円

ポンド/円は、値動きが激しいと言われるクロス円の中でも、もっとも値動きが激しい通貨ペアであり、一回のトレードで大きな利益を狙ってトレードしたい人におすすめの通貨ペアです。

なぜなら、ポンドは、ユーロやドルに比べると2倍以上の価格が動く通貨であり、その値動きの激しさから「暴れ馬」と言われることもある通貨だからです。

ポンドの値動きが激しい理由としては、金利が高い通貨のために、市価の短期間の変動の差益だけをねらって行う売買取引である投機の対象になりやすいことや、ドルやユーロに比べると流通量が少ないことが挙げられます。

流通量が少ないと、上述した投機の影響をより受けやすくなるのです。

このように激しい値動きが特徴のポンドですが、その特徴はもちろんポンド/円でも同じです。

ポンド/円は1日に1~2円、多いときは3円も値が動く日もあり、ドル/円が1日に50銭程度しか動かないことを考えると、2倍以上動いていることになります。

これだけ値動きが激しいと、得ることができる利益も多くなるので、一気に多くのお金を稼ぎたい人にはクロス円の中でも、ポンド/円がもっともおすすめの通貨となります。

しかし、値動きが激しいということは、損失も大きくなってしまうので、トレードをおこなうときは莫大な損失が出ないように、損切り幅を調整するなど、資金管理には注意するようにしてください。

豪ドル/円

豪ドル/円は、高金利の通貨と低金利の通貨を取引したときに生じる金利差であるスワップポイントが高い通貨ペアであり、長期的に取引をおこなってスワップポイントで稼ぎたい人におすすめの通貨ペアです。

豪ドルはオーストラリアの通貨ですが、最大の特徴は金利の高さです。

逆に日本は世界でも、もっとも金利が低い国なので、金利が高い国と金利が低い国の通貨同士を組み合わせた通貨ペアである豪ドル/円は金利差であるスワップポイントを狙うには最適の通貨ペアだと言えるでしょう。

そのため、豪ドル/円を扱うトレーダーにはスワップポイント目当てで、長期保有を前提としている人が多いです。
なので、スワップポイント狙いで長期的な運用をしたい人には、クロス円の中でもおすすめの通貨ペアとなります。

スワップポイントについては以下にまとめていますので、ご確認ください。
→FXのスワップポイントとは?スワップポイントで稼ぐために知っておくべきことを徹底解説。

【まとめ】クロス円を理解して勝てるトレーダーになろう

日本の通貨である円が絡む通貨ペアであるクロス円の通貨ペアは私たち日本人にとって馴染みがある通貨ペアです。

しかし、クロス円は世界的に見るとマイナーな通貨ペアであり、扱いが難しい通貨ペアでもあります。

馴染み深いからと言って、気軽にトレードをおこなえば大きな損失を生み出す可能性があります。

その反面、しっかりクロス円について理解すれば、その値動きの激しさから大きな利益を得ることができるのです。

せっかく日本という国でFXをやるのであれば、自国の通貨である円が絡むクロス円について理解して馴染みのある通貨で勝てるトレーダーになりませんか

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