FXでは、通貨の売買によって利益を得る方法の他に、2つの通貨を交換するときに生じる金利差で「スワップポイント」という利益を得る方法があります。
このスワップポイント狙いの投資方法は、理解しやすく初心者でも運用しやすい投資方法です。
しかし、スワップポイントについてリスクと対処法をしっかりと理解していなければ、逆に損をしてしまう投資方法でもあります。
そこで今回はスワップポイントで稼ぐために知っておくべきことをお伝えしていきます。同時にスワップポイントごとにFX業者を比較しますので、この記事を読めば稼ぎやすいFX業者を発見することが可能です。
ぜひ、ここで学んで、実践してみてください。
スワップポイントの基本知識
スワップポイント狙いの投資を行うには、まずスワップポイントの仕組みを理解しておく必要があります。
まずはスワップポイントとは一体何なのかを解説していきます。
スワップポイントとは?
FXの世界では通貨により金利が違い、金利が高い通貨もあれば、逆に金利が低い通貨もあります。
結果、高金利の通貨と低金利の通貨で取引をしたときには金利差が発生します。
この取引により発生した金利差のことを「スワップポイント」または「スワップ」と呼びます。
仮に金利が高い通貨をドル、金利が低い通貨を円とすると「ドル/円」の通貨ペアをつくり、ドルの買いポジションを持ったときは、ドルと円の金利差をスワップポイントとして受け取ることができます。
一方、ドルの売りポジションを持ったときは、金利差分のスワップポイントを支払う必要が出てくるので、注意が必要になります。
スワップポイントが付与されるタイミング
スワップポイントはポジションを所有した期間、毎日受け取ることができます。
1日保有したかどうかのカウントは日付が変わる時間帯である午前6時(夏時間)なので、仮に午前5時にポジションを建てたとしても、1日所有したと見なされます。
また、スワップポイントはFX会社が休みの間は付与されません。
その分のスワップポイントは2営業日後に付与すると決められており、多くのFX業者は金曜〜月曜までの3日分のスワップポイントを水曜日に付与します。(中には金曜日にスワップポイントを3日分付与するFX業者もいるので注意が必要です。)
ただし、この水曜日のスワップポイント付与は土日にポジションを持っていた人がスワップポイントをもらえる訳ではなく、あくまでその分を水曜日に付与するというだけなので、水曜日の時点でポジションを持っていれば、土日にポジションを持っていなくても3日分のスワップポイントをもらうことができます。
つまり水曜日にポジションを持っておくと少し得をすることができるのです。
スワップポイントの計算方法
スワップポイントは国が発表する政策金利とは違っており、相場の値動きにより日々変動しています。
それでは毎日スワップポイントがいくらかを計算しないといけないかというと、そんなことはありません。
多くのFX業者が、1日あたりのスワップポイントを「スワップポイントカレンダー」として発表してくれているので、スワップポイントカレンダーを見れば現在のスワップポイントがいくらなのか分かるようになっています。
実際のスワップポイントカレンダーをご覧ください。
これはGMOクリック証券のスワップポイントカレンダーの画面です。
表示されているのは「ドル/円」の1万通貨あたりのスワップポイントとなっています。
10月1日を見てみると、ドル/円で買いポジションを持ったときのスワップポイントは「59円」売りポジションを持ったときのスワップポイントは「-61円」となります。
スワップポイントはこんな人におすすめ
スワップポイント狙いの投資方法は、安定した収入を長期的に得たい人に向いている投資方法です。
仮にドル/円で1万通貨を1年間買いポジションで保有すると約2万円ほどの利益を出すことができます。
これがもし2万通貨ならどうでしょう?10万通貨なら?
2万通貨なら4万円ですし、10万通貨なら20万の利益です。
頻繁に売買を繰り返す短期トレードに比べると額が少なく感じるかもしれませんが、頻繁にトレードができない人や、長期的に資金を運用していきたい人には、安定した収益が目指せるのでおすすめの投資方法となります。
スワップポイントのメリットとリスク
スワップポイントを得る投資はうまく活用すれば、長期的に利益を得ることができる投資方法ですが、運用に失敗すると逆に損をしてしまう可能性があります。
損をしないためにはスワップポイントのメリットとリスクの両方を知っておく必要があるのです。
そこでここからはスワップポイントのメリットとリスクを解説していきます。
スワップポイントのメリット
まずはスワップポイントのメリットを解説していきます。
スワップポイントのメリットは大きく分けて「毎日受け取ることができる」と「投資資金を少額に抑えることができる」の2つになります。
外貨預金より優れている
スワップポイントと似たような仕組みで「外貨預金」という金融商品があります。
外貨預金とは日本ではなく、外国の通貨で預金をすることです。
基本的に日本より海外の金利の方が高い傾向にあるので、外国の通貨で預金をしておくと高い金利による利息を受け取ることができます。
このように外貨預金は「金利差で利益を出す」という点でスワップポイントと同じような仕組みをしています。
ではスワップポイントと外貨預金では何が違うのでしょうか?
それは、金利差(利息)を受け取ることができるスパンです。
スワップポイントが毎日金利差を受け取ることができるのに対して、外貨預金は早くても数ヶ月、長ければ半年以上かかってしまいます。
また、相場に大きな値動きが起きてしまったらどうなるでしょう。
FXでは損をする前にボタン一つで所有しているポジションを解消してしまえばいいだけですが、外貨預金は基本的に定期預金となるため、好きなタイミングで払い戻しを受けることが出来ません。
結果、スワップポイント投資であれば、金利差で毎日利益を受け取ったうえに損もしていないのに対して、外貨預金では利益を出すどころか損をしてしまいます。
長期的に資金を運用するのであれば、金利差を短いスパンで受け取ることができ、かつリスクの低いスワップポイント狙いの投資方法が、もっとも優れた投資方法だといえるでしょう。
投資資金を少額に抑えることができる
先ほどのスワップポイントカレンダーをもう一度見てください。
引用元:GMOクリック証券
ドル/円の10月1日時点の買いスワップは1万通貨あたり59円となっているので、1万通貨あたり約60円のスワップポイントを毎日受け取ったとしたら単純計算で60円 × 365日=21,900円です。
FXの世界では1万通貨というと最小の単位に近いですが、実際、1万通貨は1ドル108円だとすると108万円に相当します。つまり、約100万ものお金を投資して、ようやく年間で2万円ほど利益を出すことができるのです。
これを外貨預金でやろうと思うとお金がいくらあっても足りません。
しかし、FXには元手の資金に対する資金効率を上げる仕組みである「レバレッジ」が存在します。
1万通貨であれば、FXであれば4万5千円程度を口座にいれておくだけで運用が可能なのです。
つまり投資のために100万円用意できるのであれば、国内の最大レバレッジである25倍をかけると2500万もの資金を運用することができます。
この資金効率の良さこそが、スワップポイントの最大のメリットといえるでしょう。
スワップポイントのリスク
スワップポイントにはもちろんリスクも存在します。
スワップポイントのリスクは大きく分けて「スワップポイントの支払いが発生する」「スワップポイントは変動する」「ロスカットの可能性がある」の3つになります。
スワップポイントの支払いが発生する
高金利通貨に対して売りポジションを持ってしまった場合、スワップポイントの支払いが発生します。
実際にスワップポイントカレンダーを見てください。
引用元:GMOクリック証券
ドル円で一万通貨の売りポジションを持った場合1日「-61円」の支払いが発生しています。
仮に、売りポジションを持ったあとに為替レートが下がってしまい、ポジションを解消する訳にも行かず、ドル円の売りポジションを保有し続けた場合、1日あたり61円ずつスワップポイントの支払いが発生するのです。
また、仮に午前5時の段階でポジションを持ってしまった場合も1時間しか保有していないのに支払いが発生してしまいますし、水曜日にポジションを保有していた場合は3日分のスワップポイントの支払いをすることになります。
このようにスワップポイントは、もらえるばかりではなく支払わないといけない場合もあるので、損をしないようにタイミングを考えてポジションを持ちましょう。
相場の変動に注意
相場が大きく動いた場合、スワップポイントを発生させている元手のポジションで損失が発生してしまう可能性があります。
スワップポイントで毎日利益を得ていたとしても、元手のポジションで損失が発生してしまえば意味がありません。
スワップポイントで利益を得る方法は長期的に資金を運用することが前提なので、多少の値動きであれば値が戻ってくる可能性も高いです。
しかし、あまりに大きな値動きであった場合、値が戻らずに損をしてしまう可能性があります。
また、スワップポイントは日々変動しています。
取引対象国の金融情勢の変化によって、今受け取っているスワップポイントが大幅に減少する場合もあります。
長期的に運用する場合でも、相場の値動きには常に注意するようにしてください。
ロスカットの可能性がある
先ほども解説したように、相場は大きく動く可能性があります。
そのときにスワップポイント狙いで長期的な運用をしている人は、元手のポジションで損失が発生したとしても、ポジションを解消することはないかと思います。
しかし、FXにはポジションが生み出した損失額が元手の資金の一定の割合を切ったときに強制的に決済を行う「ロスカット」というシステムが存在します。
ロスカットは本来、FXで背負った損失が元手の資金を超えないようにするための安全装置なのですが、スワップポイント狙いで長期的に投資しているときにロスカットされてしまえばスワップポイントの利益を得る前に元手の資金を失ってしまうので、大損をしてしまうことになります。
スワップポイント狙いの長期的な投資を行う場合は、レバレッジのかけすぎなど資金管理には注意して、不本意なロスカットが起きないように注意しておく必要があります。
スワップポイント投資で失敗しない方法
ここまでで、スワップポイント狙いの投資方法には、リスクもあるということが分かっていただけたのではないかと思います。
しかし長期的な投資として、スワップポイント狙いの投資方法は非常に魅力的かつ、リスク管理をしっかりすれば、安定して利益を出すことができます。
そこで、ここからはスワップポイント投資で失敗しないための方法を解説します。
スワップポイント投資で失敗しないためのポイントは「リスクを分散させる」「証拠金維持率の管理」の2つとなります。
リスクを分散させる
相場の値動きやスワップポイントの変動の対策として、複数の通貨ペアを使って運用するようにしましょう。
複数の通貨ペアで運用すれば、どれかの通貨ペアの利益が減少したとしても他の通貨ペアで補うことができます。
投資において、一極集中させずに投資対象を分散させることは基本中の基本なので、意識しておくようにしてください。
証拠金維持率の管理
ロスカットへの対策として、証拠金維持率の管理は徹底しておこないましょう。
スワップポイント狙いの投資方法における証拠金維持率の目安は300%です。
確かにレバレッジをかければ利益も大きくなりますが、証拠金維持率が300%を切るような過度なレバレッジをかけるのは、リスクが大きすぎるのでやめるようにしてください。
また相場の変動により、証拠金維持率が300%を切るような場合も注意が必要です。
不本意なロスカットを避けるために、今後の値が戻る見通しがあるのであれば、追加で入金しておく、戻らない見通しなのであれば、これ以上損失が膨らむ前にポジションを解消するなどの対策をおこなうようにしてください。
スワップポイント狙いでおすすめの通貨ペア
スワップポイントは2国間の金利差なので、その差が大きいほどもらえるスワップポイントが大きくなります。
しかし、いくらスワップポイントが高くても今後、金利が落ちていくことが予想できるような通貨ペアで運用していくのはおすすめできません。
スワップポイント投資は長期的な運用となるので、安定した通貨ペアに投資するのが基本となります。
そこでここからは今後も安定した利益が出せるであろうおすすめの通貨ペアを紹介していきます。
安定した運用を目指す
安定した運用を目指すのであれば、「ドル/円」「豪ドル/円」「NZドル/円」がおすすめです。
この3つの通貨ペアは過去十年の値動きの推移も安定していますし、国の経済も安定しているので安定した運用を目指すうえでは最適です。
期待利回りは2%前後と決して多くはありませんが、国としての信頼度の高さと通貨の信頼度の高さは抜群の通貨ペアだと思います。
スワップポイントで短期的に利益を出したい
スワップポイント狙いの投資で短期的に利益を出したいのであれば、「トルコリラ/円」「南アフリカランド/円」「メキシコペソ/円」がおすすめです。
これらの通貨は一般的に高金利通貨と言われており、期待利回りは10%前後で、トルコリラ/円に関しては20%前後となっています。
また、メリットとして先進国の通貨に比べて為替レートが低いので、投資金額が少なく済むというメリットもあります。
しかし、国としての安定性、信頼度という点で先進国の通貨に比べると大きく劣りますし、今はよくても今後どうなるか分からないというデメリットがあります。
しかし、これらの通貨ペアは、短期的に保有してスワップポイントで大きな利益を狙うには最適な通貨ペアだと思いますので、長期的な保有は先進国通貨、短期的な保有は「トルコリラ/円」「南アフリカランド/円」「メキシコペソ/円」と使い分けて投資をおこなうのがおすすめです。
スワップポイントで稼ぐためにおすすめのFX業者
スワップポイントは同じ通貨ペアでもFX業者によって違ってきます。
どうせスワップポイントで稼ぐのであれば、スワップポイントが多いFX会社を選びましょう。
ここではスワップポイントが多いFX業者を2つ紹介します。
GMOクリック証券
GMOクリック証券はドル/円のスワップポイントが特に高いFX業者です。
ドルを利用した安定的な長期運用がしたいのであれば、特におすすめのFX業者です。
引用元:GMOクリック証券
また総合力が高いFX業者だと言われているので、スワップポイント狙いではない、通常の取引にもおすすめです。
LION FX
LION FXは「豪/ドル」「NZ/円」「南アフリカランド/円」のスワップポイントが特に高くなっています。
引用元:ヒロセ通商
安定している先進国の通貨で長期的な運用を行うのにも最適ですし、南アフリカランド/円で短期的に大きな利益を狙っていく運用にも利用できるのでおすすめです。
【まとめ】スワップポイントで稼ぐためには
スワップポイント狙いの投資方法はポジションを長期間保有しておくだけで、利益を出すことができる魅力的な運用方法です。
その反面、長期間ポジションを保有することによるリスクも存在するのも確かです。
しかし、スワップポイントの仕組みを理解して運用すれば、リスクは限りなく軽減することが出来ますし、外貨預金などの長期的な投資方法に比べても安定した運用が可能です。
FXの短期的な取引はリスクが大きく感じてしまい手が出せないという人には、ぜひスワップポイント運用をおすすめします。
しっかり学べば必ず利益を出すことが出来るでしょう。
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