FXのサヤ取りとは? | サヤ取りの基本とやり方を徹底解説

ハイリスク・ハイリターンの投資と言われるFXにおいて、ローリスクなトレード手法のひとつとして人気があるのが「サヤ取り」と呼ばれるトレード手法です。
サヤ取りについて学べば、比較的リスクの少ないトレードができるようになります。

しかし、サヤ取りはFXのなかでも難しいトレード手法なので、実際にやるためには基本知識とやり方を学ぶ必要があります。
また、しっかり理解せずにやると損をする可能性があるトレード手法でもあるのです。

そこで今回はサヤ取りの基本知識とやり方について解説します。

以下で学んで、実践してみてください。

サヤ取りとは?

FXにおけるサヤ取りとは「買い」と「売り」のポジションを同時に保有することで、利益を狙う投資手法です。

もし、相場が極端な方向に動いたとしても、「買い」と「売り」のポジションを保有しているために損失と利益が相殺されるので、リスクを抑えることができます。

このように「買い」と「売り」のポジションを同時に保有することをFXでは「両建て」と言います。

つまり、サヤ取りとはポジションの「両建て」をおこなうことで利益を狙う投資手法だということです。

しかし「買い」と「売り」のポジションを同時に保有しているだけでは、価格差が生まれないので、利益を狙うことはできませんよね。

そこで、FXにおけるサヤ取りでは次の2種類の方法を使って利益を狙っていきます。

相関性の高い通貨ペアを使ったサヤ取り

これからご紹介するサヤ取りは、相関性の高い通貨ペアを両建てすることで、利益と損失の差を狙う手法です。

FXで用いられる通貨ペアの中には、値動きに相関性のあるものがあります。
仮に「A/B」と「C/D」という比較的、同じような値動きをする通貨ペアがあったとします。

この「A/B」と「C/D」でそれぞれの価格差が小さいときに両建てをおこない、価格差が大きくなったところで決済をおこなうと、利益を出すことができます。

理解しやすくするために図を作ったのでご覧ください。

A/Bの通貨ペアを108円で「買い」、C/Dの通貨ペアを107.5円で「売り」でエントリーしたとして、その後A/Bが110円、C/Dが108.5円になり価格差が広がったタイミングで決済をおこないます。
結果、A/Bは買いと売りの価格差が「2円」、C/Dは「1円」の価格差が出ますよね。
A/Bは「買い」ポジションなので「2円」の利益、C/Dは売りポジションなので「1円」の損失が出ています。
これを合算すると「1円」の利益になるので、結果は「1円(出た価格差)× 取引数量」となります。

このように相関性のある通貨ペアの「買いポジション」と「売りポジション」を両建てすれば、その差で利益を出すことができます。

ちなみにこの表のように、相関性のある通貨ペア同士のレートが近づいたり、離れたりする動きが、サヤが伸びたり、縮んだりするように見えることから、この手法は「サヤ取り」と呼ばれています。

スワップポイントのサヤ取り

次に、2つの通貨を交換するときに生じる金利差「スワップポイント」を利用したサヤ取りという手法を解説していきます。

なお、「スワップポイント」については以下にまとめていますので、ご確認ください。
FXのスワップポイントとは? | スワップポイントで稼ぐために知っておくべきことを徹底解説。

スワップポイントを利用したサヤ取りでは、スワップポイントがFX業者によって違うことを利用して、同じ通貨ペアを別のFX業者で両建てし、スワップポイントの差で利益を狙っていきます。

分かりやすいように表を作ったのでご覧ください。

仮に「C社」と「D社」というFX業者があったとします。
10月1日にC社で通貨ペアA/Bの買いスワップポイントは「60円」であるのに対して、D社では売りスワップポイントが「30円」です。

買いスワップポイントは自分が利益として受け取ることができるお金で、売りスワップポイントは自分が支払わなければいけないお金ですが、それぞれの損益を合算すると30円の利益を受け取ることができます。

このように同じ通貨ペアでもFX業者間の買いと売りのスワップポイント差を利用すれば、利益を出すことができるのです。

今回は同じ通貨ペアで例を出しましたが、先ほど説明した通貨ペア同士の相関性を利用して、損益差額による利益とスワップポイント差額による利益の両方を狙うこともできます。
サヤ取りに慣れてきたら同時に試してみるのもおすすめです。

サヤ取りのメリット・デメリット

ここまでサヤ取りのやり方を説明してきましたが、サヤ取りにも当然メリットとデメリットがあります。

やり方が分かったからといって、メリットとデメリットを理解せずにトレードをすれば、本来得ることができたはずの利益を得ることができなかったり、不本意な損失を負うことになってしまいますので、サヤ取りを実践する前にサヤ取りのメリットとデメリットを確認しておきましょう。

サヤ取りのメリット

相場が極端に動いた場合、普通にトレードをしていれば大きな利益を得るか、大きな損失を負うかのどちらかになってしまいます。
しかしサヤ取りは、「買い」ポジションと「売り」ポジションを両建てしているので、利益と損失が相殺され大きな損失を負う可能性が低くなります。

仮にサヤ取りに失敗して、損失を出してしまったとしても、利益が損失を相殺してくれるので、本来負うはずだった損失額に比べれば、はるかに損失額は小さくなるのです。

ハイリスク・ハイリターンのFXにおいてローリスクな手法は貴重な手法であり、サヤ取りの最大のメリットであると言えるでしょう。

サヤ取りのデメリット

次にサヤ取りのデメリットを解説していきます。
サヤ取りはFXにおいて貴重なローリスクな取引ができる効果的な手法ではありますが、次のようなデメリットがあります。

資金効率が悪い

サヤ取りでは「買い」ポジションと「売り」ポジションの両建てを行うので、通常のトレードの2倍の資金が必要になります。

FXは、自分の元手資金以上の取引ができる仕組みである「レバレッジ」を利用して少ない元手資金で始められることが大きなメリットのひとつです。

しかし、サヤ取りは元手資金が少ない場合は行うことができないので、その点はデメリットであると言えるでしょう。

利益率が低い

サヤ取りは簡単に言えば「ローリスク・ローリターン」の手法です。

通常のトレードと違って大きな値動きにうまく乗れれば、大きな利益を得ることができるという訳ではありません。

本来ならチャンスであるFX相場の大きな値動きが起きたときには、大きな利益を得ることはできないのです。

サヤ取りはあくまで高い勝率で、小さな利益を積み上げる手法なので、一発で大きな利益を狙いたい人にとっては、デメリットとなるでしょう。

ロスカット

ロスカットとは取引中に損失が発生した場合、損失が元手の資金の一定額に達するとFX業者側で自動決済を行い、損失が元手の資金を超えないようにする仕組みです。

気付かないうちに、損失が膨らむのを防ぐのと同時に、損失が元手の資金を超えるのを防いでくれます。FXにおける安全装置のようなものです。

サヤ取りは、「買い」ポジションと「売り」ポジションを両建てしているので、利益と損失が相殺され大きな損失を負う可能性が低くなるのが最大のメリットですが、両建てしているポジションのうち損失が出ているポジションがロスカットされてしまっては、両建ては成り立たなくなってしまいます。

ポジションの両建てが成り立たないと、サヤ取りは手法として成り立たないうえに、利益が出ているポジションが損失が出る方向に動けば、利益どころか損失を抱えることになってしまいます。

元手の資金管理には十分に注意してください。

通貨ペアの相関性は変わることがある

サヤ取りの方法として「通貨ペア同士の損益差を利用して利益を狙う方法」と「スワップポイント差での利益を狙う方法」を紹介しましたが、このデメリットは「通貨ペア同士の損益差で利益を狙う」ことによるデメリットです。

FXでは、毎日のように発表されている経済指標により突発的な値動きが起き、その結果、で通貨同士の相関関係が崩れやすいという大きなデメリットがあります。

結果として経済指標を確認せずサヤ取りを行なっていると突発的な値動きにより安定性を欠いた運用をすることになってしまう可能性があります。

安定性を欠かないためにも相関関係が崩れやすい重要指標発表時は避けてサヤ取りを行う必要があるのでサヤ取りをおこなう時は、タイミングに注意が必要です。

「経済指標」については以下のページにまとめているので、ご確認ください。
覚えておきたい経済指標 | FXでチェックすべき重要指標を徹底解説

サヤ取りにおすすめのFX業者3選

ここではスワップポイント差を利用したサヤ取りを行ううえで、オススメのFX業者を紹介していきます。

SBI FXトレード

引用元:SBI FXトレード

SBI FXトレードは1通貨からトレードを始めることができるので、少ない資金でも通貨ペア同士の損益差による利益を狙ったサヤ取りを行うことができます。

また米ドル円のスワップポイントが高めに設定されているので、スワップポイントの差額狙いのサヤ取りをおこなうときにもおすすめです。

YJFX

引用元:YJFX

YJFXもFX業者の中では少なめの1000通貨からトレードを始めることができるので、少ない資金でも通貨ペア同士の損益差による利益を狙ったサヤ取りをおこなうことができるFX業者だと言えます。

また全体的にスワップポイントが高めに設定されているので、スワップポイントの差額狙いのサヤ取りをおこなうFX業者としてもおすすめです。

外為オンライン

引用元:外為オンライン

外為オンラインは付与されるスワップポイントが低いのが特徴です。
本来であればデメリットですが、サヤ取りにおいてはメリットに変わります。

スワップポイントの差額狙いのサヤ取りをおこなううえでは、マイナススワップが少ないということは大きなメリットだからです。

スワップポイントの差額狙いのサヤ取りをおこなうときにFX業者同士の組み合わせで利用するのがおすすめです。

【まとめ】FXのサヤ取りはリスクが少ない運用方法

 

ハイリスク・ハイリターンの投資であるFXをローリスクにしてくれるサヤ取りは貴重な取引手法です。

確かに通常のトレードほど、大きな利益は取れないかもしれません。

しかし、本来投資において一番大切なことは「自分の資金を確実に増やす」ことであり、FXにおいては「負けないこと」です。

サヤ取りのやり方は慣れるまでは少し難しく感じるかもしれませんが、身につけてしまえば、確実に利益を得ることができます。

サヤ取りを実践すれば、9割が負けていると言われるFXの世界で「勝ちトレーダー」になることができるのです。

ここで学んだことをしっかり理解して、ぜひ実践してみてください。

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